Buddhism(仏教思想)への現代的アプローチ
人気の高い仏典に般若心経があり、広く知られている四言句に、色不異空,空不異色、色即是空、空即是色とある。これを直訳すると、真の意味から遠ざかる。色を「color」や空を「sky」「vacuum(真空)」と直訳したのでは、理解するのにかえって迷うことになる。色はmaterialと解釈すべきで、空の意味はchangingが最適(インド地方部・パーリ語参照)だ。この世に理由があって存在する物質は、絶え間なく変化しているという意味になる。極小で蚊のような虫類から、高等生物(人)、地球(the earth)、宇宙の星(stars)まで総てが色だ。仮に地球を一個の生命体と捉えた時、約47億年前に先行するエネルギーを端緒に、カオス(混沌)状態から誕生し、現代は中間成熟期に相当し、地殻変動を絶えず繰り返している。約50億年後には、寿命を迎え大爆発して霧散する。一方、我々人間は、通常約60兆個の細胞で構成されている。一例をあげると、血液細胞は、骨髄でフツフツと生まれ、全身に酸素、栄養を運び、病原菌とも闘い、充分働いてのち、順次脾臓(ひぞう)で死滅する。体を支え、構成する一つ一つの細胞は、絶えず、生死(しょうじ)、生死の繰り返しだ。
つまり、一切衆生(生きとし生きるもの)は、誕生し、成長し、学習し、働き、子育てをし、病苦も体験し、衰え、そして黄泉に赴(おもむ)く。人は、この地球時間(≒95億年)内のいずれか(時代や場所)のステージ上で、上品(じょうぼん)、下品(げぼん)の差異こそあれ、何かを求めうごめき、表現してやまない、いまだ未完成の存在ではないだろうか。仏道を究めた優れた先人は、生をしっかり見つめ、死の実相を捉えることが、真理を追求しようとする人間の基本命題(出発点)であると説いている。(続く・・・) 26/2/03
つまり、一切衆生(生きとし生きるもの)は、誕生し、成長し、学習し、働き、子育てをし、病苦も体験し、衰え、そして黄泉に赴(おもむ)く。人は、この地球時間(≒95億年)内のいずれか(時代や場所)のステージ上で、上品(じょうぼん)、下品(げぼん)の差異こそあれ、何かを求めうごめき、表現してやまない、いまだ未完成の存在ではないだろうか。仏道を究めた優れた先人は、生をしっかり見つめ、死の実相を捉えることが、真理を追求しようとする人間の基本命題(出発点)であると説いている。(続く・・・) 26/2/03